「Instagramの企画づくりを自動化する」
株式会社Foootの末次優太氏が、AXの支援を受けて優先して取り組んだテーマです。企画づくりにかかる作業を効率化し、継続的な運用につなげる仕組みづくりを進めてきました。
同社では、広告クリエイティブの制作にもAI活用が広がっています。以前は画像素材を探してダウンロードしていた制作で、現在は画像の8〜9割をAIで作成。広告クリエイティブの画面を見ながら、同社の社員は「理想通りの画像を作ろうとすると、AIの方が今は精度が高い」と話します。広告レポートの集計にもAIを活用しているといいます。
Web広告やSNSマーケティングの現場で、AIはどのように日々の仕事に入っているのか。末次氏が優先して取り組んだInstagram企画の自動化を中心に、クリエイティブ制作の変化やこれからの組織づくりについて紹介します。
※本記事は、YouTubeで公開している密着動画をもとに、記事として再構成しています。
お話を伺った方
株式会社Fooot AI開発推進部 末次優太氏
(取材当時はSNSマーケティング事業部長)
Web広告運用、SNSマーケティングを手がける。Instagram運用をはじめ、SNS関連業務の自動化を進めている。
企画・制作に手間がかかる。まず変えたかったのはInstagram運用

Instagram運用では、毎月10件の投稿企画を考え、キャプションを作成。カルーセル投稿ではタイトルや各ページの文章、全体の構成も組み立てます。クライアントの確認後に修正して、ようやく投稿できる。考えることも、手を動かす工程も少なくありません。
「今回AXさんの支援を受けた時に、まずこのInstagramの企画づくりを自動化したいっていうのがあったんですよね」
Slackへの依頼から企画づくりへ。Instagram運用の流れを仕組みに

画面上では、Slackから依頼を出すと、Claude Codeが処理を進め、企画がNotionに出力される流れが見られます。出力するのは企画案だけではありません。トレンドや過去投稿のインサイト、クライアントとの定例ミーティングの議事録も踏まえて、投稿案を組み立てます。確認基準が厳しい領域では、そのチェックも仕組みに組み込んでいます。
10件分の企画は約20分で作成でき、7アカウント分も2〜3時間ほどで準備できるようになりました。採用した企画だけでなく、修正の指示や不採用の理由、投稿後の反応もデータベースに記録。使うほど情報が蓄積され、次の企画づくりに活かされていきます。
「使えば使うほどデータが溜まって、ブラッシュアップしていくんです」
Instagram企画づくりの変化
- Before: 企画、キャプション、カルーセルのタイトル・本文・構成を作り、クライアント確認後の修正を重ねて投稿
- After: Slackから依頼し、過去の実績やクライアントとの議事録などを踏まえた企画を作成。10件分は約20分、7アカウント分も2〜3時間ほどで準備
素材を探すだけでなく、つくりたい広告表現をAIで形に

クリエイティブ制作の現場では、画像生成AIで作った広告素材が画面に並びます。Foootでは、以前は画像素材を探してダウンロードしていました。しかし現在、画像制作の8〜9割はAIに移行。細部の精度が必要なときは素材サイトも使い、仕上がりや用途に応じて選んでいます。
動画制作では、すべてを生成AIに置き換えたわけではありません。人物や特定の素材を狙って生成すると違和感が出ることがあり、動画生成の利用は体感で3〜4割ほど(取材当時)。(※)一方で、撮影では難しい大きな演出やデジタル上の変化は、AIで表現しています。
効果が上がりやすくなったと感じることに加え、末次氏が挙げるのは編集や制作のスピードです。生成がうまくいかず時間がかかることもありますが、試行錯誤を重ねるうちに、どのように使うかの知見もたまっていきます。
※知見が蓄積し、2026年10月現在は、ほぼAIで生成した動画を使用しているとのことです。
💬 「AIを使っているのに、企画や制作の進め方は変わらない」と感じていませんか?
「素材探しや制作に追われ、次の表現を考える時間が足りない」
「AIを自社の業務にどう組み込めばよいか分からない」
末次氏のように、現場の業務から優先順位を決め、AIを企画や制作の流れに組み込む方法をご相談いただけます。
毎朝のレポート集計を自動化。人は結果を見て判断する

広告レポートを担当する別の社員は、以前、テスト中の案件をNotionで確認し、LPを一件ずつ開いてスクリーンショットを撮っていました。画像をGeminiに渡して分析し、その結果を見ながら広告の配信先を調整するまで、毎朝約30分。数値の誤りに気づき、もう一度確認することもあったといいます。
AIエージェントを導入してからは、レポートの作成から通知までを自動化。結果はSlackの専用チャンネルに届き、Notionにもページが作られます。
「毎朝の集計作業の30分は完全になくなりました。確認を元にABテストの結果に合わせるだけなので、作業をするというより判断していく感覚です」
担当者が手を動かして集計する時間は、結果を確かめ、次の配信を判断する時間へ。実装を担当した社員は、作り始める前には難しそうだと思っていたAIエージェントについて、「ChatGPTに喋るのと何ら変わりなかった」と、使ってみた感覚を振り返っています。
AIを使う前に業務を理解する。実践を社内で共有する

末次氏が話すのは、AIの操作方法だけでなく、業務そのものを理解することの大切さです。何を作りたいのか、どの仕事を変えたいのかが自分の中で明確になっていれば、AIに伝える内容も変わります。
「AIを使う前に自分の業務を棚卸しできて、言語化できて、そこからAIを使える人が組織に必要になってくると思います」
実際に、社内にはAIの情報を共有するSlackチャンネルがあり、活用事例を持ち寄るミーティングも行われているとのこと。画像・動画の制作、Instagram企画、広告レポートの集計。それぞれの現場で試したことを共有し、次の活用につなげています。
新しいAIが次々に登場するなかで、末次氏は、変化を前にした戸惑いも率直に語ります。それでも、まず試してみること、うまくいかなかった経験も共有することが大切だと考えています。業務の背景を理解したうえで、AIに任せる仕事と人が担う判断を見極めていく。その積み重ねが、現場での活用を支えています。
今回は、広告クリエイティブやInstagram企画の制作にAIを取り入れ、日々の仕事を変えている株式会社Fooot・末次優太様の事例を、YouTubeで公開されている動画をもとに紹介しました。
末次様のお話から印象的だったのは、AI活用の出発点に「自分の業務を理解し、何を変えたいのかを言葉にすること」があった点です。クリエイティブ制作やInstagram企画の自動化も、現場の仕事を見つめ直し、優先順位を決めるところから進んでいます。AIを使ってみたいけれど、どの業務から始めるべきか迷っている方は、まず日々の業務を棚卸しすることから取り組んでみてはいかがでしょうか。
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※記事の内容は、取材当時のものです。




