業務効率化・自動化

AIを活用した電子帳簿保存法対応の進め方!AI-OCRで業務を効率化するポイント

AI-OCRで電子帳簿保存法に対応する流れを示す図解

「電子帳簿保存法への対応を進めているが、書類のデータ化や入力作業が追いつかない」「インボイス制度も重なり、経理部門の負担が増えている」とお悩みではありませんか?

電子取引データの保存では、法令上の要件を確認したうえで、AI-OCRなどを入力補助に活用する方法があります。適切に導入すれば、手入力や台帳作成にかかる負担を大幅に抑えられます。

本記事では、AIを活用して電子帳簿保存法に対応するメリットやサービスの比較ポイント、導入時の注意点を解説します。なお、具体的な保存要件の適用可否は事業者の状況によって異なるため、国税庁の最新情報を確認し、必要に応じて税理士などの専門家へ相談してください。


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電子帳簿保存法においてAI活用が注目される背景と法改正のポイント

電子帳簿保存法においてAI活用が注目される背景と法改正のポイントを表す図解イラスト

電子帳簿保存法への対応では、電子取引データの保存に加え、書類情報の入力や確認、検索可能な状態での管理などが必要になる場合があります。こうした実務負担を軽減する手段として、AI-OCRを備えた文書管理システムが活用されています。

電子取引におけるデータ保存義務化の概要

電子メールで受け取ったPDFの請求書や、Webサイトからダウンロードした領収書などの電子取引データは、原則として電子データのまま保存しなければなりません。紙への印刷自体は禁止されていませんが、印刷した書面だけを保存しても法定の保存要件を満たさない点に注意を払うべきです。詳しくは、国税庁「電子帳簿保存」を参照してください。

従来の宥恕措置は終了していますが、2024年1月1日以後も、保存要件に従って保存できなかったことについて相当の理由があり、税務調査時に電子取引データおよび出力書面の提示・提出要求へ応じられる場合には、猶予措置が適用されるケースがあります。したがって、すべての事業者に通常の保存要件への一律の対応を強制する仕組みではありません。適用条件は、国税庁「電子帳簿保存」に掲載されている最新の一問一答などで把握しておくと安心です。

通常の保存要件へ対応する場合は、訂正・削除の防止に関する措置や見読性の確保など、自社に適用される要件を整理します。手作業でファイル名を変更したり、Excelで索引簿を作成したりする運用も選択肢の一つですが、取引件数が多い企業では作業負担や入力ミスが生じやすいため、システム化を検討する余地があります。

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インボイス制度との連携による業務負担の増加

電子帳簿保存法への対応と並行して、適格請求書の記載事項や登録番号、税率区分などを確認する実務も発生します。取引件数が多い場合、これらを手作業で確認・入力する運用は経理担当者の負担になり得ます。

軽減税率と標準税率が混在する取引では、税率区分や税額の確認も欠かせません。AI-OCRや会計システムの補助機能を活用すれば、一部の入力・照合作業を効率化する道が開けますが、最終的な目視確認まで完全に省略できるとは限りません。

そのため、法令要件を整理したうえで、書類の受領、確認、保存、会計処理までの業務フローに合うシステムを選ぶ視点が欠かせません。

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従来のOCRとAIを活用したOCRの違い

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従来のOCRとAIを活用したOCR(AI-OCR)の違いの一つは、異なるレイアウトの書類に対応する方法です。従来型では読み取り位置を事前に指定するテンプレート型が多い一方、AI-OCRには書類の構造を解析し、項目を抽出する製品があります。

テンプレート型OCRでは、取引先ごとに請求書のフォーマットが異なる場合、個別の設定を求められることがあります。また、手書き文字、傾き、画像の不鮮明さなどによって読み取り結果が変わるため、人による確認や修正を前提とした運用を設計しておきます。

AI-OCRでは、機械学習などを利用して、日付、金額、取引先名といった項目を抽出できる製品があります。ただし、対応書類、抽出項目、読み取り精度は製品や画像の状態によって異なります。

導入時は、AI-OCRの読み取り結果をそのまま確定するのではなく、自社の書類を使った検証と人による確認工程を設けることが大切です。


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電子帳簿保存法におけるAIを活用した対応におすすめのサービス3選

電子帳簿保存法におけるAIを活用した対応におすすめのサービス3選を表す図解イラスト

AIを活用した電子帳簿保存法対応を進める際の比較候補として、3つのクラウドサービスを紹介します。ここでの掲載順は優劣を示すものではありません。機能、料金、対応書類、JIIMA認証の対象区分や有効状況は変更される可能性があるため、契約前に各社の公式サイトと最新資料を確認してください。

サービス 公式情報で確認できる主な機能 選定時の確認ポイント
楽楽電子保存 AI-OCRによる項目読み取り、書類の保存・検索、楽楽クラウドとの連携 必要な保存区分、連携対象、契約プラン
バクラク電子帳簿保存 AI-OCRによる書類情報の読み取り、電子取引データの保存・検索 対象書類、シリーズ連携、機能ごとの対象製品・プラン
OPTiM 電子帳簿保存 AIによる取引情報の入力、書類の一元管理・検索 対応書類、アップロード上限、権限管理、契約プラン

1. 楽楽電子保存(株式会社ラクス)

株式会社ラクスが提供する「楽楽電子保存」は、電子取引データやスキャンした書類の保存・検索を支援するシステムです。公式サイトでは、AI-OCRによって取引年月日、金額、取引先名などを読み取り、データ入力を補助する機能が案内されています。

「楽楽明細」や「楽楽精算」など、同社のサービスから書類を連携できる機能も案内されています。具体的な連携範囲や利用条件は、楽楽電子保存の公式機能ページで確認してください。

法令対応については、利用する機能だけでなく、自社の対象書類、設定、保存手続、社内規程を含めて網羅的に確認しておかなければなりません。

2. バクラク電子帳簿保存(株式会社LayerX)

株式会社LayerXの「バクラク電子帳簿保存」は、AI-OCRによる書類情報の読み取りや、電子取引データの保存・検索を支援するサービスです。読み取り時間や精度は書類の状態や利用条件によって変わるため、実際の自社書類を用いて事前に検証しておくことをおすすめします。

バクラクシリーズには、稟議、経費精算、請求書処理などを支援する製品があります。ただし、連携できる業務や機能は製品・プランによって異なるため、必要な範囲を切り分けて比較してください。

インボイス登録番号の読み取りや照合を含む機能の提供範囲についても、対象製品と契約条件をバクラク電子帳簿保存の公式サイトで事前にチェックしておくと確実です。

3. OPTiM 電子帳簿保存(株式会社オプティム)

株式会社オプティムが提供する「OPTiM 電子帳簿保存」は、AIによる取引年月日、取引金額、取引先企業名などの入力補助と、取引書類の一元管理・検索を支援するサービスです。

公式サイトでは、請求書、領収書、注文書、見積書などの取引関係書類に関する機能が案内されています。ただし、自社で扱うすべての書類や保存区分に対応できるとは限らないため、対象書類と必要な要件を個別に確認してください。

料金、アップロード上限、セキュリティ機能、JIIMA認証の対象区分などは、OPTiM 電子帳簿保存の公式サイトで最新情報を手に入れられます。

AIを活用して電子帳簿保存法に対応するメリット

AIを活用して電子帳簿保存法に対応するメリットを表す図解イラスト

AI-OCRを適切に活用するメリットは、電子帳簿保存法への対応に伴う入力・確認作業を効率化に導ける点にあります。ただし、AIを導入するだけで法令要件を満たせるわけではなく、保存方法や運用ルールを含めた設計が欠かせません。

手入力の削減による業務効率化とミスの防止

書類の情報を目視で確認し、会計システムや管理台帳に手入力する運用では、金額や日付の入力ミス、取引先名の表記揺れなどが生じる可能性があります。

AI-OCRを導入すると、書類から抽出された情報を確認・修正する運用に切り替えられるため、入力作業の削減につながります。ただし、読み取り結果に誤りが含まれる可能性を考慮し、重要項目の確認工程は業務フローに残しておかなければなりません。

入力や確認にかかる時間を減らせれば、経理担当者が財務分析や予算管理などの業務に取り組みやすくなります。導入効果は書類件数や既存フローによって異なるため、事前に測定指標を定めて検証しましょう。

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検索要件を満たす台帳作成の自動化

電子取引データの通常の保存要件では、取引年月日、取引金額、取引先を条件に検索できる機能が必須とされています。一方、税務調査時のダウンロード要求に応じられることを前提として、基準期間の売上高が5,000万円以下である場合や、出力書面を日付・取引先ごとに整理して提示・提出できる場合など、検索要件が不要となる措置もあります。詳細は、国税庁の電子取引データ保存に関する資料をご参照ください。

検索要件への対応を迫られる事業者では、AI-OCRを備えたシステムによって対象項目の入力を補助し、書類データへ紐付けることで、ファイル名変更や索引簿作成の負担を減らせる可能性があります。ただし、読み取り結果の確認や修正、保存漏れを防ぐ運用ルールは別途整備しておかなければなりません。

税務調査時に必要なデータを検索・出力できるか、ダウンロード要求へ対応可能かどうかも事前にチェックしておきます。システムを利用しても、書類の紛失や登録漏れのリスクが完全になくなるわけではない点に留意してください。

システムを選定する際の重要な基準

システムを選定する際の重要な基準を表す図解イラスト

自社に合うシステムを選ぶには、AI-OCRの性能だけでなく、対象書類、保存区分、既存システムとの連携、権限管理、運用体制を網羅的に確認しなければなりません。製品名や知名度だけで判断せず、実際の業務フローに当てはめて検証することが大切です。

読み取り精度の高さと対応書類の豊富さ

AI-OCRの読み取り結果は、製品、書類形式、文字の状態、撮影・スキャン品質などによって異なります。自社がよく受け取る請求書や領収書を使い、必要な項目を読み取れるか確認してください。

また、請求書、納品書、見積書、契約書などのうち、自社で保存する書類が対象になっているかを確認します。書類を読み取れることと、その書類に必要な法令上の保存要件へ対応できることは分けて判断しなければなりません。

無料トライアルやデモを利用できる場合は、読み取り結果だけでなく、修正のしやすさ、検索・出力方法、登録漏れを確認する機能まで検証することをおすすめします。

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既存の会計システムや業務フローとの連携性

現在使用している会計ソフトやERPと連携できるかを確認します。CSVによる入出力やAPI連携の有無に加え、連携対象となる項目、利用できるプラン、追加費用も事前に洗い出しておきましょう。

社内の承認フローへ無理なく組み込めるかも成否を分けます。書類の受領から確認、承認、保存、会計処理までを整理し、誰がどの工程を担当するかを決めておくと、導入後の混乱を抑えられます。

システム間連携を利用する場合も、連携エラーや二重登録への対処方法を定め、定期的に処理結果を確認してください。

導入時に注意すべきセキュリティと運用ルール

導入時に注意すべきセキュリティと運用ルールを表す図解イラスト

AIを活用した電子帳簿保存法対応システムを運用する際は、セキュリティ機能と社内ルールの両方を整備しておかなければなりません。システムの導入だけで、法令順守や安全な運用が自動的に保証されるわけではないためです。

システム選定では、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)の認証状況が参考になります。認証は、対象製品のマニュアルなどを基に、所定の機能要件への適合性を確認する制度です。ただし、利用企業の設定、対象書類の判断、社内規程、保存手続を含む法令順守全体を保証するものではありません。認証区分や対象バージョン、有効状況は、JIIMAの認証製品一覧で確認してください。

クラウド上に取引データを保存する場合は、通信・保存データの暗号化、多要素認証、アクセス権限、操作ログ、バックアップ、障害時の復旧方法などを確認します。ベンダーが公開するセキュリティ資料や利用規約も確認しておきましょう。

さらに、受け取った書類を誰が、いつまでに、どの方法で登録し、誰が結果を確認するのかを明文化します。訂正・削除を行う場合の手順や、退職・異動時の権限変更も定めてください。

スマートフォンで撮影した書類をスキャナ保存する場合は、解像度や階調など、自社に適用される保存要件を確認する必要があります。電子取引データの保存と紙書類のスキャナ保存では要件が異なるため、混同しないよう注意しましょう。

AI-OCR導入を成功させるポイント

AI-OCR導入を成功させるポイントを表す図解イラスト

AI-OCRの導入では、対象業務、導入前後の運用、効果の測定方法を明確にすることが重要です。出典や条件が示されていない「完全テレワーク化」「大幅なコスト削減」といった成果を、そのまま自社にも当てはめることはできません。

まず、紙、PDF、システム間データ連携など、書類の受領経路を洗い出します。そのうえで、電子データで受領できる取引と、スキャン作業が残る取引を分けると、自動化する範囲を判断しやすくなります。

次に、AI-OCRの読み取り結果を確認する担当者と、誤りがあった場合の修正手順を決めます。確認を省略するのではなく、金額や取引先などの重要項目へ確認作業を集中させることが現実的です。

導入効果は、書類1件あたりの処理時間、修正件数、登録漏れ、検索にかかる時間など、自社で測定できる指標を使って評価します。公式導入事例を参照する場合も、対象業務や導入条件が自社と近いかを確認してください。

最終的には、特定の担当者だけが操作できる状態を避け、マニュアル、権限管理、定期的な運用確認を整えることが継続的な活用につながります。

2026年における最新の法対応トレンド

2026年における最新の法対応トレンドを表す図解イラスト

電子帳簿保存法対応を検討する際は、書類画像の読み取りだけでなく、構造化されたデータをシステム間で受け渡す仕組みも選択肢になります。ただし、普及状況や利用できる機能はサービスによって異なるため、自社の取引先や利用システムを踏まえた確認が必要です。

デジタル庁は、国際標準仕様のPeppolを基にした日本のデジタルインボイス標準仕様「JP PINT」を管理しています。Peppolネットワークでは、標準仕様に沿ったインボイスデータセットをアクセスポイント間でやり取りします。制度と仕様の詳細は、デジタル庁「JP PINT」で確認できます。

構造化されたデータを受領できれば、画像から文字を読み取る工程を減らし、会計・支払システムへの連携を効率化できる可能性があります。一方で、保存機能の有無、取引先との接続、例外処理などを確認する必要があり、直ちにすべての処理を完全自動化できるとは限りません。

AIを仕訳候補の提示や重複データの検出などに活用する製品もありますが、機能や判定精度は製品ごとに異なります。導入時は、公式仕様、対象プラン、データの利用条件、人による確認範囲を明確にしてください。

法令や製品仕様は変更される可能性があります。国税庁などの一次情報とベンダーの最新資料を定期的に確認し、必要に応じて運用を見直すことが重要です。

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まとめ:AIによる電子帳簿保存法への対応でスマートな経理業務を実現しよう

AI-OCRは、電子帳簿保存法への対応に伴う入力や検索情報の登録を効率化する手段の一つです。ただし、AI-OCRや保存システムを導入するだけで法令要件を満たせるわけではありません。

まずは、自社に適用される保存要件と例外措置を国税庁の情報で確認し、書類の受領から保存までの業務フローを整理しましょう。そのうえで、自社の書類を用いて読み取り精度、検索・出力機能、既存システムとの連携、セキュリティを検証します。

製品の公式情報と専門家の助言も活用しながら、AIが担当する処理と人が確認する範囲を明確にすることが、安全で継続可能な経理業務につながります。


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