社内で利用されているSaaSが増えすぎて、管理が追いつかない、何にいくら払っているのか分からないと悩んでいませんか。
本記事では、SaaSが増えすぎる原因から、管理を最適化するための具体的な5ステップ、そしておすすめの管理ツールまでを徹底的に解説します。
読み終える頃には、自社のSaaS利用状況を正確に把握し、無駄なコストの削減とセキュリティリスクの低減を実現するための、明確なアクションプランが手に入っているはずです。
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なぜSaaSは増えすぎてしまうのか?背景にある3つの原因

SaaSが増えすぎてしまう主な原因は、部門ごとの個別最適化、シャドーITの蔓延、そして解約漏れの3つです。これらは、SaaSの導入が容易で、現場レベルで迅速に利用開始できるという利便性の裏返しと言えます。
かつてのように情報システム部門が全てのITツールを集中管理する時代とは異なり、各部門や従業員が主体的にツールを選定できるようになったことが、結果として管理の複雑化を招いています。
部門ごとに最適化されたツールの個別導入
各部門がそれぞれの業務を効率化するために、最も適したSaaSを独自に導入するケースは少なくありません。例えば、営業部門は顧客管理に特化したCRMを、マーケティング部門は見込み客育成のためのMAツールを、といった具合です。
部門単位で見れば最適な選択であっても、全社的な視点で見ると機能が重複するツールが乱立し、コストの無駄やデータ連携の非効率さを生む原因となります。BizteX株式会社の調査では、SaaSのデータ連携に課題を感じている企業は86.9%にのぼり、部門間のデータ連携ができていないことが大きな問題となっています。 このように各ツールが独立して運用されるため、会社全体として「どの部署が」「どのツールを」「何のために」使っているのか、全体像の把握が困難になるのです。
従業員が無断で利用する「シャドーIT」の蔓延
「シャドーIT」とは、情報システム部門の承認を得ずに、従業員が業務で利用するITツールやサービスのことです。特に無料プランや個人アカウントで手軽に始められるSaaSは、シャドーITの温床となりやすい傾向があります。
Assuredが2024年に行った調査では、従業員1,000名以上の大企業の65.6%でシャドーIT対策が行われていない実態が明らかになりました。 このような管理外のSaaSは、企業のセキュリティポリシーが適用されず、情報漏洩の重大なリスクとなり得ます。
シャドーITが発生する背景には、承認プロセスが煩雑であったり、会社提供のツールでは機能が不十分であったりといった理由が挙げられます。

無料トライアルからの自動更新と解約漏れ
多くのSaaSが提供する「無料トライアル」は、導入のハードルを大きく下げる一方で、管理が行き届かないと不要なコストを発生させる原因になります。トライアル期間が終了し、自動的に有料プランへ移行するのを忘れ、使っていないサービスに料金を支払い続けてしまうケースです。
また、担当者の異動や退職の際に引き継ぎが適切に行われず、誰も利用実態を把握していない「幽霊SaaS」となってしまうこともあります。ある調査では、58.4%の職場で未使用アカウントが放置されているとの結果も出ており、積み重なると大きな無駄な支出につながります。
増えすぎたSaaSを放置する3つの重大なリスク

増えすぎたSaaSを管理せずに放置することは、コストの増大、セキュリティの脆弱化、管理業務の逼迫という3つの重大なリスクを企業にもたらします。これらは単なる非効率の問題ではなく、企業の経営基盤そのものを揺るгаしかねない深刻な課題です。
最初は小さな問題に見えても、放置することでリスクは確実に拡大し、気づいた時には手遅れになっている可能性もあります。
コストのブラックボックス化と無駄な支出の増大
管理されていないSaaSが増えると、どの部署が何にいくら支払っているのか、会社全体で正確に把握することが不可能になります。これが「コストのブラックボックス化」です。
その結果、機能が重複するツールに二重投資してしまったり、退職者が利用していたライセンスが放置され、誰も使っていないのに費用だけが発生する「ゴーストライセンス」が増加したりします。株式会社SHIFTの調査によると、情報システム部門がSaaS管理をすべて一元化している企業はわずか22%に留まり、多くの企業で無駄な支出が発生している可能性が示唆されています。
セキュリティガバナンスの低下と情報漏洩の危険性
情報システム部門が把握していない「シャドーIT」の存在は、深刻なセキュリティホールとなり得ます。企業のセキュリティポリシーが適用されないため、アクセス権限の管理が不十分になったり、脆弱なパスワードが使われたりする危険性が高まります。
特に、退職した従業員のアカウントが削除されずに残っていると、不正アクセスの踏み台にされたり、機密情報が外部に持ち出されたりするリスクが現実のものとなります。実際に、ソニービズネットワークスの調査では、約2割の企業で退職者アカウントの削除漏れが発生したと回答しており、これが情報漏洩の大きな原因となっています。

情報システム部門の管理業務の逼迫と属人化
SaaSの数が増えれば増えるほど、情報システム部門の管理業務は肥大化します。アカウントの発行・停止、パスワードリセット、各ツールへの問い合わせ対応、契約更新の管理など、その業務は多岐にわたります。
これらの業務に追われることで、本来注力すべき戦略的なIT企画やDX推進といった業務に着手できなくなります。さらに、特定の担当者しかSaaSの全体像を把握していない「属人化」の状態に陥りがちです。その担当者が休職や退職した場合、SaaS管理が完全に機能不全に陥るリスクも抱えることになります。
SaaS管理を最適化する!現状把握のための棚卸し5ステップ

増えすぎたSaaSを最適化するための第一歩は、社内に存在するSaaSをすべて洗い出し、その利用実態を正確に把握する「棚卸し」です。以下の5つのステップで進めることで、自社のSaaS利用状況を網羅的に可視化し、具体的な改善アクションへと繋げられます。
この棚卸し作業は、コスト削減やセキュリティ強化の基盤となる非常に重要なプロセスです。
- 利用SaaSの洗い出し
- 契約情報の整理
- 利用状況の調査
- コストの可視化
- 要否の判断と整理
これらのステップを順に進めることで、SaaS管理の全体像が明確になります。
ステップ1:利用SaaSの洗い出し
まず、社内で利用されている可能性のあるSaaSをすべてリストアップします。経費精算システムやクレジットカードの利用明細を確認するほか、各部門の責任者や従業員へのアンケート、ヒアリングを実施して、シャドーITを含めて網羅的に情報を収集します。
ステップ2:契約情報の整理
洗い出したSaaSごとに、契約プラン、料金、契約期間、更新日、契約部署、管理担当者といった契約情報を一覧にまとめます。契約書や請求書を確認し、正確な情報を記録することが重要です。
ステップ3:利用状況の調査
次に、各SaaSが実際にどれくらい使われているかを調査します。SaaSの管理画面からアクティブユーザー数や最終ログイン日などのログを確認したり、従業員にアンケートを実施したりして、ライセンスごとの利用実態を把握します。
ステップ4:コストの可視化
整理した契約情報と利用状況をもとに、部門別、SaaS別のコストを算出・可視化します。これにより、どのSaaSにどれだけのコストがかかっているのか、費用対効果は適切か、といった分析が可能になります。
ステップ5:要否の判断と整理
最後に、収集した情報全体を評価し、各SaaSの要否を判断します。利用率が著しく低いSaaS、機能が重複しているSaaS、費用対効果が見合わないSaaSなどを特定し、解約、統合、またはより安価なプランへの変更といった具体的な整理・最適化のアクションを決定します。

【2026年最新】おすすめSaaS管理プラットフォーム(SMP)5選

SaaSの棚卸しや継続的な管理を手作業で行うには限界があります。そこで効果的なのが、社内のSaaSを一元的に可視化・管理できる「SaaS管理プラットフォーム(SMP)」の活用です。ここでは、国内市場で評価の高い代表的なプラットフォームを5つ紹介します。
これらのツールは、SaaSの利用状況やコストを自動で収集・可視化し、管理業務の大幅な効率化を実現します。
| ツール名 | 主な特徴 | こんな企業におすすめ |
|---|---|---|
| ジョーシス | SaaS管理だけでなく、ITデバイスの管理やキッティング(初期設定)までワンストップで対応可能。IT資産全体を統合管理できる。 | SaaSとPC・スマホなどのIT資産をまとめて管理したい企業。 |
| マネーフォワード Admina | 多数のSaaSと連携可能。シャドーITの検出や、退職者のアカウント削除(オフボーディング)の効率化に強みを持つ。 | セキュリティガバナンスを強化し、シャドーIT対策を徹底したい企業。 |
| freee IT管理 (旧Bundle by freee) | 入退社や部署異動に伴うSaaSアカウントの発行・削除を自動化できる。コストや利用状況の可視化も可能。 | 従業員の入退社が頻繁で、アカウント管理の工数を削減したい企業。 |
| メタップスクラウド | IDパスワード管理やシングルサインオン(SSO)機能も提供し、セキュリティと利便性を両立。SaaS管理とID管理を同時に実現。 | ID管理を効率化し、セキュアなアクセス環境を構築したい企業。 |
| デクセコ | 3,000以上のSaaSデータベースに対応。従業員へのアンケート機能で契約情報を効率的に収集できる。 | 多種多様なSaaSを利用しており、網羅的な棚卸しを効率的に行いたい企業。 |

失敗しないSaaS管理プラットフォーム(SMP)の選び方

自社に最適なSaaS管理プラットフォームを選ぶためには、連携範囲、操作性、サポート体制の3つの観点から比較検討することが重要です。多機能なツールを導入しても、自社の環境や運用に合わなければ効果は半減してしまいます。
単に有名なツールを選ぶのではなく、自社の課題を解決できるかをしっかりと見極める必要があります。
自社で利用中のSaaSとの連携範囲と精度
最も重要なのは、現在自社で利用している主要なSaaSとAPI連携できるかという点です。特に、Microsoft 365やGoogle Workspace、Slackといった全社的に利用しているツールとの連携は必須条件と言えるでしょう。
連携できるSaaSの種類と数が多いほど、アカウント情報や利用ログを自動で正確に収集でき、管理の精度が高まります。導入前に、対応SaaSリストを必ず確認しましょう。
直感的なUIと分かりやすいダッシュボード
SaaS管理プラットフォームは、情報システム部門の担当者だけでなく、各部門のマネージャーや経営層がコストや利用状況を確認する場面も想定されます。
そのため、ITの専門知識がない人でも直感的に操作できるユーザーインターフェース(UI)か、重要な指標が一目でわかるダッシュボードを備えているかが重要です。無料トライアルなどを活用し、実際の画面の使いやすさを事前に確認することをおすすめします。
導入から運用定着までのサポート体制
ツールを導入しても、社内で活用されなければ意味がありません。特に導入初期は、既存SaaSの登録や各種設定でつまずきやすいポイントです。
そのため、初期設定を支援してくれるサービスや、運用開始後に出てくる疑問点に迅速に対応してくれるカスタマーサポートの存在が不可欠です。日本語による手厚いサポートが受けられるか、オンラインのヘルプページやマニュアルは充実しているか、といった点も選定の際に確認しましょう。
ツール導入だけでは不十分?継続的なSaaS管理の運用体制

SaaS管理プラットフォームは管理業務を大幅に効率化する強力な武器ですが、ツールを導入しただけで問題がすべて解決するわけではありません。継続的にSaaSを最適化し続けるためには、全社的な「運用体制」の構築が不可欠です。
ルールを定め、それを形骸化させない仕組みを作ることが、将来にわたってSaaSの無秩序な増殖を防ぐ鍵となります。
SaaS導入・管理に関する社内ルールの策定と周知徹底
まず、SaaSを導入する際の明確なルールを策定します。具体的には、新しいSaaSを導入する際の申請・承認フロー、費用対効果の判断基準、セキュリティ要件のチェックリストなどを定めます。
そして、このルールを全従業員に周知徹底することが重要です。なぜルールが必要なのか、シャドーITにどのようなリスクがあるのかを丁寧に説明し、従業員の理解と協力を得ることで、SaaS管理の文化を組織に根付かせることができます。

定期的な棚卸しとライセンス見直しの仕組み化
一度棚卸しをして終わりではなく、四半期に一度や半年に一度など、定期的にSaaSの利用状況を見直す仕組みを業務プロセスに組み込むことが重要です。
この定期的なチェックを通じて、利用されなくなったライセンスを特定して停止したり、よりコスト効率の良いプランへ変更したりといった最適化を継続的に行います。これにより、常にSaaSの利用状況を健全な状態に保ち、無駄なコストの発生を防ぎ続けることが可能になります。

SaaS 管理 増えすぎに関するFAQ

ここでは、「SaaS 管理 増えすぎ」という課題に関して、多くの企業担当者から寄せられるよくある質問とその回答をまとめました。具体的な疑問を解消し、自社での取り組みの参考にしてください。
SaaS管理に関するよくある疑問点について、簡潔に解説します。
Q1. 中小企業でもSaaS管理は必要ですか?
A1. はい、必要です。企業規模に関わらず、SaaSの無秩序な増加はコストの無駄遣いやセキュリティリスクに直結します。むしろ、情報システム部門の担当者が限られている中小企業こそ、SaaS管理プラットフォームのようなツールを活用して、効率的に管理体制を構築することが重要です。
Q2. SaaS管理プラットフォームの導入費用の目安は?
A2. 料金体系はツールや従業員数によって大きく異なりますが、一般的には1ユーザーあたり月額数百円からが目安となります。 放置されているSaaSのライセンス費用や管理にかかる人件費を削減できることを考えれば、多くの場合、導入コストを上回る費用対効果が期待できます。
Q3. シャドーITを完全になくすことはできますか?
A3. シャドーITを完全にゼロにすることは現実的には困難です。しかし、導入ルールを明確化し、SaaS管理ツールで利用実態を可視化し、従業員への啓発を続けることで、その数を大幅に削減し、リスクを管理可能なレベルに抑えることは十分に可能です。従業員の利便性を損なわないよう、会社として代替となる推奨ツールを用意することも有効な対策です。

SaaS管理の最適化からDX推進まで伴走するならAX CAMP

増えすぎたSaaSの整理・最適化は、守りのIT投資として非常に重要ですが、それはDX推進のゴールではありません。むしろ、コスト削減や業務効率化によって生まれたリソースを、いかにして企業の競争力強化に繋げるか、という「攻めのIT活用」こそが本質的な課題です。
しかし、SaaSを整理した先に「次に何をすべきか分からない」「AIなどの新技術をどう業務に取り入れればいいか不明確」といった壁に直面する企業は少なくありません。
私たち株式会社AXが提供する「AX CAMP」は、単なるAI研修サービスではありません。お客様一社一社の業務内容や経営課題を深くヒアリングし、SaaSの最適化を含む現状の業務プロセスの可視化から、AIを活用した未来の業務フロー設計、そして現場の従業員が自走できるまでの実践的な伴走支援までを一気通貫で提供します。例えば、ある企業様ではLP制作の外注費10万円を0円に、制作時間も3営業日から2時間へと劇的に削減した実績もございます。
SaaS管理の次の一手として、AIを活用した抜本的な生産性向上や、新たな事業価値の創出を目指しませんか。貴社のDXを加速させる具体的な道筋にご興味をお持ちでしたら、まずは無料の資料請求やオンライン相談をご活用ください。
まとめ:「SaaS 管理 増えすぎ」問題を解決し、攻めのIT投資を実現しよう
本記事では、SaaSが増えすぎてしまう原因から、放置するリスク、そして具体的な管理・最適化の手法までを解説しました。改めて、重要なポイントを振り返ります。
- SaaSの増加は個別最適化やシャドーITが主な原因
- 放置はコスト増大や情報漏洩リスクに直結する
- 解決の鍵は「棚卸しによる現状把握」から始めること
- 効率化にはSaaS管理プラットフォームの活用が有効
- ツール導入と並行し、社内ルールと運用体制の構築が不可欠
「SaaSが増えすぎている」という問題は、多くの企業が直面する現代的な経営課題です。しかし、この課題に適切に対処することは、単なるコスト削減に留まりません。管理体制を整え、無駄な支出をなくすことで生まれた予算や人的リソースを、AI導入や新規事業開発といった、企業の未来を創る「攻めのIT投資」へと振り向けることができます。
AX CAMPでは、SaaS管理の最適化に留まらず、その先のAI活用による本質的な業務改革までをトータルでご支援します。専門家の伴走支援を受けながら、着実にDXを推進したいとお考えでしたら、ぜひ一度、私達にご相談ください。貴社の状況に合わせた最適な一歩を、一緒に見つけ出します。

