「毎年の入社シーズンになると、書類の回収やデータ入力に追われて他の業務が全く進まない」「転記ミスや手続きの漏れがないか、常に不安を抱えている」とお悩みの人事労務担当者の方は多いのではないでしょうか。そうした煩雑な業務を効率化する方法の一つが、AIやクラウドサービスを活用した入社手続きの自動化です。
本記事では、AIを活用できる業務の範囲や入社手続きに関連するサービス、導入手順、注意点を解説します。自社の課題や既存システムに合う方法を検討する際にお役立てください。
AIを活用した入社手続きの全体像と自動化のメリット

AIを活用した入社手続きは、内定から入社までに発生する書類の読み取りやデータ入力などの省力化に役立ちます。具体例として、エムケイシステムは社会保険労務士事務所向けの「AI社労夢」について、入社手続きから電子申請完了までの対象業務の作業時間を、同社が想定する条件において最大80%削減できると試算しています(エムケイシステムの発表)。これは特定製品と条件に基づくメーカー試算であり、実際の削減効果は製品や対象業務、書類の内容、運用方法、企業規模などによって異なるため、自社の既存業務に当てはめて効果を見極めるのが賢明です。
従来の入社手続きでは、新入社員が手書きした書類を回収し、人事システムへ手入力する作業が一般的でした。AI-OCRに対応するサービスを導入すると、スマートフォンなどで撮影した本人確認書類から情報を自動で読み取り、入力の手間を大幅に省けます。一方、従業員によるオンライン入力や電子申請、システム間のデータ連携といった基本機能は、AI非搭載の一般的な労務クラウドでも十分にカバーしているケースが少なくありません。
こうした機能を適切に組み合わせることで、転記ミスの抑制やペーパーレス化、手続き状況の可視化において期待を上回る成果をもたらします。提出依頼や自動リマインド機能を備えたサービスであれば、未提出者への個別の督促連絡に追われることもありません。新入社員がスマートフォンやPCから手続きを完結できるため、書類の郵送や対面でのやり取りを最小限に抑えられる点も大きなメリットです。
従来の入社手続きにおける課題と手作業のリスク

手作業による従来の入社手続きには、業務の属人化や情報漏洩といった深刻なリスクが潜んでいます。特に、入社者が集中する4月などの繁忙期には、限られた人員で膨大な書類を処理しなければならず、現場の負担が増えがちです。
具体的な課題として、まず書類の不備や回収の遅れが挙げられます。手書きの書類は文字の判別が難しく、確認や再提出のやり取りに多くの時間を費やすことになります。また、マイナンバーなどの機密性の高い情報は、紙か電子データかを問わず、紛失や漏洩を防ぐための厳格な管理体制が欠かせません。個人番号を取り扱う事務や担当者の範囲、保管方法、利用終了後の削除・廃棄などは、個人情報保護委員会の特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)を踏まえてルール化しておきます。 個人情報の扱いは個人情報保護委員会の生成AIサービス利用時の注意喚起、著作権は文化庁のAIと著作権もあわせて参照しておくと安心です。
さらに、手続きの進捗管理が担当者の頭の中にしかない場合、業務が属人化してしまいます。万が一、担当者が休職や退職をした際に、どの手続きがどこまで進んでいるのか分からなくなり、社会保険の加入手続きが遅れるといった重大なトラブルに発展しかねません。
AIの導入によって自動化できる具体的な労務業務

AIや労務クラウドの導入によって、内定通知後の案内から情報収集、書類作成、電子申請に至る一連のプロセスをスムーズに自動化できます。これにより、人事労務担当者は書類の作成や手入力といった定型業務から解放され、最終的な確認や承認など、人による判断が求められるコア業務に注力しやすくなります。
例えば、案内メールの作成支援や送信、提出状況に応じたリマインドに対応するサービスがあります。AI-OCRを搭載するサービスでは、本人確認書類などの画像から氏名や住所、生年月日を読み取り、入力作業の大部分を自動化。ただし、読み取り結果には誤りが含まれる可能性を考慮し、原本との照合や担当者による最終チェックの工程を必ず設けるようにしてください。
また、収集したデータを基に、健康保険や厚生年金、雇用保険の被保険者資格取得届などの作成を支援する労務システムもあります。e-Govなどの電子申請に対応している場合は、システム上から直接申請手続きを完了させることも可能です。ただし、対応する帳票や申請方法、別途必要な設定はサービスごとに異なるため、自社の申請パターンを網羅しているか事前に洗い出しておきましょう。

自動化システムを導入する際の手順と進め方

新たな入社手続きシステムをスムーズに現場へ定着させるには、まず現状の業務フローを可視化し、段階的に移行を進めるアプローチが効果的です。いきなりすべての業務をデジタル化しようとすると、現場の混乱を招き、かえって業務が停滞する原因になりかねません。
最初のステップとして、現在行っている入社手続きのタスクをすべて洗い出し、誰がどの作業にどの程度の時間を費やしているかを確認します。次に、自社の課題に合ったシステムを選定し、まずは1〜2名の小規模な入社手続きでテスト運用を実施します。
テスト運用で発生した課題や操作上の疑問点を洗い出し、マニュアルを整備した上で、全社的な本格導入へと移行します。この際、新入社員向けの操作ガイドも用意しておくことで、導入初期の問い合わせ対応を減らしやすくなります。

システムを安全に運用するためのセキュリティと注意点

オンラインでの入社手続きを安全に運用するうえでは、強固なセキュリティ対策と、法改正に即座に対応できる運用体制の構築が欠かせません。従業員の個人情報やマイナンバーという極めて機密性の高いデータを扱うため、システムの機能面に頼るだけでなく、社内規程の改定や担当者教育を含む安全管理措置をトータルで整備しておくことが求められます。
システム選定時には、通信・保存時の暗号化、2要素認証、IPアドレス制限、アクセス権限、操作ログなど、自社が必要とする機能を確認します。社内では、個人番号を取り扱う事務の範囲、対象となる特定個人情報、事務取扱担当者を明確にし、必要な担当者だけが閲覧・出力できるようにします。操作ログや取扱記録を確認する手順、保存期間の終了後に復元できない方法で削除・廃棄し、その記録を残す手順も定めましょう。
クラウド事業者へ取扱いを委託する場合は、委託先を適切に選定・監督し、安全管理措置の実施状況を継続的にチェックする体制を整えなければなりません。契約を結ぶ際は、秘密保持、目的外利用や持ち出しの禁止、再委託の条件、漏洩等が発生した場合の責任と連絡体制、契約終了後の返却・削除・廃棄、取扱状況の報告などを細部まで取り決めます。具体的な確認項目については、個人情報保護委員会のマイナンバーガイドライン(事業者編)に沿ってチェックリストを作成すると確実です。
漏洩や不正アクセスが疑われた場合に備え、社内外の連絡先、初動対応、影響範囲の確認、本人への通知や個人情報保護委員会への報告要否を判断する体制も準備します。さらに、労働・社会保険関連の法改正に対するベンダーの更新方針と対応範囲を確認し、自社側でも必要な設定変更や運用見直しを行いましょう。
入社手続きを効率化するおすすめのサービス10選

入社手続きに関連するサービスには、AI-OCRなどのAI機能を備えたものだけでなく、従業員によるオンライン入力、電子申請、採用・労務システム間の連携、入社後の人材情報活用を支援するものがあります。ここでは10サービスを役割別に整理します。すべてがAIを搭載した入社手続きシステムというわけではありません。機能や提供状況は更新されるため、自社が効率化したい業務と各サービスの最新の提供範囲を公式情報で確認してください。
| サービス | 位置付け | 主な特徴 | 確認ポイント |
|---|---|---|---|
| SmartHR | オンライン入社手続き・労務管理 | 従業員情報の収集、雇用契約、対応する労務手続きを支援 | 必要な機能の提供プラン、他システムとの連携範囲 |
| バクラク人事労務 | AI機能を含む人事労務サービス | 従業員情報の収集や人事マスタへの集約などを支援 | 現在利用できる機能、今後対応予定の機能、対象書類 |
| JOINT | AI・データ連携基盤 | 複数のSaaS間でデータや業務フローを連携するプラットフォーム | 利用中の採用管理・人事労務システムへの対応状況 |
| ジンジャー人事労務 | オンライン入社手続き・人事労務管理 | 人事データを一元管理し、関連サービスと連携 | 利用する機能と他モジュールの契約範囲 |
| マネーフォワード クラウド人事管理 | オンライン情報収集・人事管理 | 従業員情報を収集し、同シリーズの対応サービスと連携 | 既存の給与・会計システムとの連携範囲 |
| freee人事労務 | オンライン入社手続き・人事労務管理 | 従業員情報、勤怠、給与などの管理を支援 | 自社の就業規則や給与体系への適合度 |
| オフィスステーション 労務 | 労務手続き・電子申請 | 帳票作成や対応する社会保険・雇用保険の電子申請を支援 | 必要な帳票や電子申請への対応状況 |
| ジョブカン労務HR | オンライン入社手続き・労務管理 | 従業員情報の収集や労務手続きの進捗管理を支援 | 必要な機能、料金、サポート範囲 |
| HRMOS労務給与 | 採用・労務連携 | 採用管理から労務管理への情報連携を支援 | 利用中のHRMOS製品との連携範囲 |
| カオナビ | 入社後の人材情報活用に向く周辺システム | 従業員データベースを基盤に配置・評価・育成を支援 | 労務手続きや電子申請に別システムが必要か |
1. SmartHR(株式会社SmartHR)
SmartHRは、入社手続きや雇用契約などの労務業務をオンライン化できるクラウドサービスです。新入社員自身に必要な情報を入力してもらうことで、人事担当者の転記作業を減らせます。
収集した従業員情報を利用して、対応する社会保険・雇用保険の書類作成や電子申請をスムーズに進めることができます。ただし、これらは主にオンライン入力やワークフロー、電子申請による効率化であり、AI機能とは区別して検討しなければなりません。自社に必要な機能がどの料金プランに含まれているか、事前のスペック確認を徹底しましょう。
2. バクラク人事労務(株式会社LayerX)
バクラク人事労務は、入社・退職時の従業員情報の収集、マイナンバー管理、申請内容の確認、人事マスタ管理などを支援する人事労務サービスです。
公式サイトではAIを利用する機能も案内されていますが、機能一覧には今後対応予定と明記されたものや、開発中の機能を含む旨の注記もあります。導入候補とする場合は、検討時点で実際に利用できる機能、対象書類、AI-OCRや電子申請の提供状況、読み取り結果の確認方法を公式情報や問い合わせで確認してください。
3. JOINT(GMO AIコネクト)
JOINTは、複数のSaaSやシステムをシームレスに連携させるためのプラットフォームです。GMO AIコネクトの公式サイトで紹介されており、採用管理システムから人事労務システムへデータを自動で受け渡す仕組みを構築する際に役立ちます。
採用側のステータス変更などをトリガーに、接続先のシステムへ情報を自動連携するフローを構築できれば、担当者間の連絡漏れや二重入力の手間を大幅に削減できます。JOINT自体を単体の労務手続きソフトとして捉えるのではなく、既存の採用・労務サービスをつなぐ連携基盤として位置づけ、対応するシステムや具体的なデータ連携範囲を事前に洗い出しておきましょう。
4. ジンジャー人事労務(jinjer株式会社)
ジンジャー人事労務は、人事に関わるあらゆるデータを一元管理するためのシステムです。入社時に収集した従業員情報を、契約している同シリーズの勤怠管理や給与計算などのサービスへシームレスに紐付け、バックオフィス全体の業務効率を高められます。
同じ従業員情報を複数業務で利用することで、重複入力や更新漏れを減らしやすくなります。AIによる自動処理と一括して捉えず、オンラインでの情報収集、ワークフロー、データ連携の各機能が自社の運用に合うかを確認してください。
5. マネーフォワード クラウド人事管理(株式会社マネーフォワード)
マネーフォワード クラウド人事管理は、従業員情報の収集や管理をオンラインで完結できるサービスです。同シリーズが提供する給与計算やマイナンバー管理などのシステムと連携させることで、バックオフィス業務に必要な情報を一括で同期・管理する体制が整います。
入社時に登録した情報を対応するサービスへ連携することで、再入力の負担や転記ミスを減らしやすくなります。利用中の会計・給与システムとの連携方法、同期される項目、別途必要な契約を確認した上で検討しましょう。
6. freee人事労務(freee株式会社)
freee人事労務は、従業員情報、勤怠、給与計算、入社手続き、年末調整などの人事労務業務を管理できるサービスです。
入社時に従業員が入力した情報を給与計算などに利用することで、担当者による再入力を減らせます。対応機能や利用できる範囲は契約プランによって異なる可能性があるため、自社の就業規則や給与体系への適合性と併せて確認してください。
7. オフィスステーション 労務(株式会社エフアンドエム)
オフィスステーション 労務は、社会保険や雇用保険に関する帳票作成や電子申請を支援する労務管理システムです。行政手続きをオンラインで進めたい企業や社会保険労務士事務所の選択肢となります。
対応する手続きの進捗をダッシュボードなどで一元管理することで、申請漏れや手続きの遅れを未然に防げます。自社で必要な帳票が揃っているか、e-Govやマイナポータルを経由する申請にどこまで対応しているか、さらに社労士などの外部専門家とどのようにデータを共有するかを事前に整理しておきましょう。
8. ジョブカン労務HR(株式会社DONUTS)
ジョブカン労務HRは、従業員情報の収集や管理、労務手続きの進捗管理をオンラインで行うためのサービスです。
入社に伴う煩雑な手続きや、従業員への個人情報入力依頼にかかる工数を大幅に削減できます。導入を検討する際は、自社に必要な機能が基本プランに含まれているか、初期費用や最低利用人数などの条件、さらにはサポート体制の範囲まで細かくチェックしてください。
9. HRMOS労務給与(株式会社ビズリーチ)
HRMOS労務給与は、採用管理システム「HRMOS採用」との連携を検討できる労務・給与システムです。採用活動で登録した内定者情報を労務業務へ引き継ぐことで、入社時の再入力を減らせます。
採用から入社までのスムーズな情報連携を重視する企業にとって有力な選択肢となりますが、連携可能なデータ項目や利用条件の事前チェックは欠かせません。AI機能による自動化とは性質が異なるため、採用・労務間のデータ連携によってどの業務を何時間削減できるのか、具体的なシミュレーションを行っておきましょう。
10. カオナビ(株式会社カオナビ)
カオナビは、従業員データベースを基盤として、人材配置、評価、育成などを支援するタレントマネジメントシステムです。入社手続きのタイミングから、将来の適正配置に役立つスキルや経歴、顔写真といった人材情報を一元的に収集・ストックする用途に強みを持っています。
一方、社会保険・雇用保険の手続きや電子申請を主目的とする労務管理製品とは役割が異なります。入社手続きそのものを完結させる製品ではなく、入社後のオンボーディングや人材情報活用に向く周辺システムとして位置付け、必要に応じて労務管理サービスとの併用や連携を検討してください。
自社に最適なツールを選ぶための比較基準

入社手続きに関連するツールを選ぶ際は、AI機能の有無だけでなく、企業規模やボトルネックとなっている業務、既存システムとの親和性を慎重に見極めなければなりません。知名度や価格の安さだけで選定してしまうと、自社の細かい運用ルールに適合せず、かえって現場の業務が複雑化するリスクがあります。
選定の基準として、まず既存システムとの連携性を確認します。現在使用している採用管理システムや給与計算ソフトとデータ連携できれば、二重入力を減らせます。また、AI-OCR、オンライン情報収集、電子申請、SaaS連携のうち、どの機能が必要なのかを切り分けましょう。自社の従業員規模に適した料金体系か、初期費用や月額費用が予算内に収まるかも確認が必要です。
さらに、サポート体制の充実度も重要です。導入時のセットアップ支援や操作方法に関する問い合わせ窓口を確認することで、運用開始後の混乱を抑えやすくなります。トライアルが提供されている場合は、自社の書類や業務フローを使って操作性と処理結果を検証してください。
導入効果を最大化するための運用のポイント

入社手続きシステムを導入して効果を得るためには、ツールの導入と同時に、社内の業務プロセスそのものを見直すことが重要です。従来の紙ベースの習慣や不要な承認フローが残ったままでは、効率化の効果が限定的になる可能性があります。
具体的には、システム導入を機に承認ルートの簡素化を検討します。また、システムの使い方に関する社内マニュアルを整備し、担当者だけでなく、新入社員を受け入れる現場のマネジャー層にも周知することが大切です。
さらに、システムから得られるデータを定期的に確認し、手続きのボトルネックとなっている箇所を特定して改善を繰り返します。例えば、特定の書類の提出が遅れやすい場合は、案内文の表現を見直したり、提出期限の通知タイミングを調整したりする方法があります。
人事労務分野における自動化の将来性と今後の展望

人事労務分野では、AI-OCR、文書作成支援、データ連携などを活用して、定型業務を効率化する取り組みが進んでいます。ただし、利用できる機能や精度、法令への対応範囲は製品によって異なり、人による確認や判断が引き続き必要です。
今後は、入社時に収集した人材情報を、配属や研修の検討などに活用する場面が広がる可能性があります。一方、AIによる提案を利用する際は、判断根拠、データの正確性、差別や偏りの防止、本人への説明などを考慮しなければなりません。
AI入社手続きは、単独の製品ですべてを自動化するものではありません。AI機能、労務クラウド、電子申請、システム連携を目的に応じて組み合わせ、安全性と正確性を確認しながら運用することが重要です。

入社手続きのAI化に関するよくある質問(FAQ)

AIやクラウドを使った入社手続きの導入を検討する企業が抱きやすい疑問について解説します。
Q. 導入にはどのくらいの費用がかかりますか?
導入費用は、サービス、従業員数、利用機能、契約期間、初期設定や導入支援の有無によって異なります。料金を公開しているサービスがある一方、個別見積もりや最低利用料金を設定しているサービスもあるため、一律の相場では判断できません。
比較する際は、自社の従業員数と必要な機能をベンダーへ伝え、初期費用、月額費用、オプション料金、連携費用、導入支援費用を含む総額で見積もりを取りましょう。トライアルが提供されている場合は、対象機能や期間を確認した上で導入効果を検証してください。
Q. 個人情報の漏洩リスクに対してどのような対策が必要ですか?
システムベンダー側が実施しているセキュリティ対策を確認するとともに、自社内でのアクセス権限やデータ取り扱いに関する運用ルールを定める必要があります。
具体的には、通信・保存時の暗号化、バックアップ方針、ISMS認証(ISO27001)などの外部認証の有無と対象範囲、2要素認証、アクセス権限、操作ログを確認します。マイナンバーを扱う場合は、取扱事務と担当者の明確化、取扱状況の記録、保存期間終了後の削除・廃棄、漏洩時の対応体制も必要です。
外部サービスへ取扱いを委託する場合は、委託先の選定・監督方法に加え、再委託の条件、取扱状況を確認する方法、契約終了時のデータ返却・削除・廃棄についても確認します。自社の運用が個人情報保護委員会のマイナンバーガイドライン(事業者編)に沿っているか、定期的に見直しましょう。
Q. 専門知識がない担当者でもツールを使いこなせますか?
操作の難易度はサービスや利用する機能、自社の業務フローによって異なります。画面上の案内に沿って操作できるサービスもありますが、社会保険手続きの判断や初期設定には専門知識が必要になる場合があります。
導入前に担当者が実際の操作画面を確認し、マニュアル、初期設定支援、チャットや電話などの問い合わせ窓口が用意されているかを確認しましょう。必要に応じて社会保険労務士などの専門家と連携できる運用を整えることも大切です。
AX CAMPなら現場成果から逆算したAI導入を設計できます

AI入社手続きをはじめとする業務の自動化を成功させるためには、単にツールを導入するだけでなく、現場の担当者がAIを適切に使うスキルを身につけることが欠かせません。株式会社AXが提供する法人向けAI研修サービス「AX CAMP」は、研修を終えることではなく、現場で成果を出すことをゴールにした実践的なプログラムです。
完全オンラインで受講可能で、14時間のeラーニングとAI化計画のプランニング、そして半年〜年間の伴走支援を組み合わせることで、実務に直結するAI活用スキルの習得を支援します。プログラミング不要で、ノンプログラマーの人事労務担当者も対象です。
受講中に自社の実際の業務課題を分解し、その場で解決するためのAIツールを作成するため、研修終了後に実務で活用できる状態を目指せます。例えば、AI導入の事例として、株式会社JIMOS様では役員・管理職から3段階で全社展開し、AI活用の土台づくりを推進されています(株式会社JIMOS導入事例)。自社の業務に合わせたAIツールの選定や導入プロセスの構築に不安がある企業に向けて、AX CAMPは業務課題の分解から実務への落とし込みまで伴走します。

まとめ:入社手続きのAI化で労務業務を効率化しよう
AIやクラウドを活用した入社手続きは、手作業による転記ミスや手続きの遅延を抑え、ペーパーレス化を進めるための選択肢です。ただし、AI-OCR、オンライン入力、電子申請、データ連携はそれぞれ異なる機能であり、製品によって対応範囲も異なります。
まずは自社の業務フローと課題を整理し、必要な機能、既存システムとの連携性、セキュリティ、費用を比較してツールを選びましょう。業務の自動化を自社だけで進めるのが難しい場合は、実務への落とし込みまで伴走する外部の研修サービスを活用することも選択肢です。
小規模な検証から始め、処理結果を人が確認する体制を保ちながら、付加価値の高い業務に集中できる環境を整えましょう。

