「日々の業務をAIで自動化したいけれど、開発の知識がない」「ChatGPTを導入したものの、自社専用のカスタマイズができずに悩んでいる」という課題を抱えていませんか?そのような悩みの解決を支援するツールの一つが「Dify」です。
本記事では、Difyの基本概要から具体的な使い方、導入メリットまでを初心者向けに分かりやすく解説します。この記事を読むことで、プログラミングの専門知識を抑えながら自社向けのAIアプリを構築し、業務効率化につなげる方法が分かります。
Dify(ディフィ)の基本概要と注目される理由

Difyとは、プログラミングの専門知識がない担当者でも、視覚的な操作によって生成AIアプリケーションを開発・運用できるオープンソースのプラットフォームです。ノードを組み合わせるワークフローや外部サービスとの連携機能を活用し、自社の業務プロセスに合わせた専用アプリを構築する際に役立ちます。
LLMアプリ開発を効率化するオールインワンのツール
Difyは、大規模言語モデル(LLM)を活用したアプリケーション開発を支援するオープンソースのプラットフォームです。画面上に配置された「ノード」と呼ばれる処理のブロックを線でつなぐだけで、AIの挙動やデータの処理ルートを直感的に組み立てられます。
基本的なチャットボットや業務支援アプリであれば、非エンジニアでも画面上の操作を中心に組み立てられます。プロンプトの管理、データ連携、ワークフロー、Webアプリの公開などを一つの環境で扱える点が特徴です。
プロトタイプの作成と検証を繰り返しやすいため、スクラッチ開発と比べて初期検証を進めやすくなります。ただし、実際の開発期間は要件、外部システムとの連携、データ整備、品質評価、セキュリティ審査などによって異なります。
従来の開発手法やChatGPTとの決定的な違い
従来のスクラッチ開発では、Pythonなどのプログラミング言語を用いて、APIの呼び出しやデータベースの構築を個別に実装する必要がありました。この手法は自由度が高い一方、開発や仕様変更にエンジニアの関与が必要になる場合があります。
一方、ChatGPTなどのチャットサービスは手軽に導入しやすい反面、複数の処理を組み合わせた複雑な業務フローや、外部システムとの継続的な連携を組むには別途システム開発を伴います。Difyは、生成AIを組み込んだ一連のワークフローを視覚的にノーコードで構築できるため、現場主導で業務を自動化したい場面に適しています。
Difyでは、API連携やプロンプト管理、社内データを検索して回答に活かすRAGなどを一つの環境で設計・管理を完結させられます。作成したアプリはWebアプリやAPIとして公開を検討する際、セキュリティ面での認証やアクセス権限、個人情報の取り扱い、API利用料金のシミュレーションを事前に行っておくのが安全です。
ノーコード開発プラットフォームを導入する3つのメリット

Difyを導入すると、現場のニーズに合わせたAIツールの試作や改善を進めやすくなります。ここでは、Difyを検討する際に押さえておきたい3つの代表的なメリットを解説します。
1. プログラミング不要で直感的に開発できるノーコード設計
Difyでは、ビジュアル化されたワークフローエディタを使い、処理の流れを確認しながらAIアプリを組み立てられます。基本的なアプリであれば、コードの記述を抑えて開発を始められます。
「ユーザーからの入力を受け取る」「AIモデルで処理する」「結果を出力する」といった一連の流れをノードの配置で表現します。この直感的な設計手順を踏むことで、現場の業務フローを熟知している実務担当者が、開発の初期段階からプロトタイプ検証に直接参加しやすくなります。
ただし、複雑なシステム連携や高度な認証、エラー発生時の例外処理、セキュリティ設計までを完全にノーコードで完結させるのは困難です。導入にあたっては、現場担当者がプロトタイプで検証する範囲と、IT部門が担保すべき本番運用のセキュリティ要件をあらかじめ切り分けておく役割分担が欠かせません。
2. 複数の主要なAIモデルを自由に切り替えて連携可能
Difyは、複数のLLMプロバイダーを柔軟に切り替えられるプラットフォームです。OpenAI、Anthropic、Googleなどの主要なモデルを、各プロバイダーが提示する利用規約やセキュリティ要件、提供状況に合わせて選択し、接続設定を行います。
構築するアプリの用途や求められる回答精度、応答速度、コストを比較しながら、利用するモデルを管理画面からワンクリックで切り替えられます。例えば、定型的な要約処理には軽量なモデルを使い、複雑なデータ分析には高性能なモデルを割り当てるといったコストパフォーマンスを意識した使い分けが実現します。
モデルの変更が容易である一方、切り替えに伴って出力の揺れやプロンプトの効き具合、API料金、データの送信先(プライバシーポリシー)が変動する点には注意を払わなければなりません。本番環境へ反映する前に、あらかじめ用意したテスト用の評価データを用いて、想定通りの挙動を示すか検証する手順を踏んでください。
3. 独自のデータを学習させられるRAGエンジンを標準搭載
一般的なAIモデルは、自社固有の社内規定や最新の製品マニュアルを必ず把握しているとは限りません。この課題への対応に使われるのが、外部データを検索し、関連情報を参照して回答を生成する「RAG(検索拡張生成)」です。
Difyには、RAG(検索拡張生成)を構築するためのナレッジ機能が標準で備わっています。PDFやテキストなど対応する形式の社内文書をアップロードし、テキストの分割ルールや検索アルゴリズムを調整することで、自社の独自データを参照して回答する専用アプリが仕上がります。
例えば、社員が休暇の申請手順を質問した際、登録済みの社内規定から該当箇所を自動検索し、その内容を基に分かりやすい回答を生成します。ただし、RAGの仕組みを導入しても、誤った検索や不正確な回答をゼロにはできません。実務で運用する際は、回答の参照元ソースを表示する、回答不能時のエラーハンドリングを設定する、最終的な確認は人間が行うといった運用ルールの策定が求められます。なお、個人情報の扱いは個人情報保護委員会の生成AIサービス利用時の注意喚起、著作権については文化庁のAIと著作権に準拠した設計を心がけてください。
プラットフォーム上で作成できる代表的なAIアプリの例

Difyを活用することで、顧客や社内からの問い合わせ対応、膨大な情報の要約整理、複数工程にわたる定型業務の自動化などを支援するアプリをスピーディに立ち上げられます。ここでは、自社の業務改善に向けて検討しやすい3つの代表的なアプリ例を紹介します。
社内問い合わせに対応する高機能なチャットボット
総務部や人事部、ITヘルプデスクなどのバックオフィス部門には、同じような質問が繰り返し寄せられることがあります。問い合わせ対応に時間を取られ、本来の業務が圧迫されているケースも少なくありません。
Difyに社内規定やFAQデータを登録してチャットボットを構築しておけば、夜間や休日を問わず問い合わせの一次対応を自動化できます。ユーザーが普段使っている言葉で質問を入力すると、システムが自動的に関連文書を検索し、その文脈に沿った的確な回答を生成する仕組みです。
参照元を表示する設定を利用すれば、利用者が回答の根拠を確認しやすくなります。ただし、重要な判断をAIの回答だけで完結させず、担当部署への問い合わせ方法や有人確認への切り替えも用意しましょう。
複雑な業務プロセスを自動化するワークフロー
一問一答の単純なチャットボットにとどまらず、複数のステップが連なる複雑な業務プロセスも、Difyのワークフローやエージェント機能を用いて自動化できます。条件分岐や外部ツールとのAPI連携を組み合わせることで、特定のトリガーを起点に一連の処理を自動で完結させる高度なシステム設計が行えます。
例えば、「特定の問い合わせメールを受信した際、その内容を要約して英語に翻訳し、Slackの指定チャンネルに通知した上で、返信メールの下書きを自動作成する」といった一連の連携フローを構築します。ただし、実際に安定して稼働させるには、各サービスが提供するAPIの制限や認証方式、Dify側のプラグインの対応状況を事前に検証しておく必要があります。
これまで手作業で行っていた転記や定型処理を自動化すれば、業務効率の大幅な向上や入力ミスの削減を期待できます。一方で、LLMによる予期せぬ誤出力やAPI連携の一時的なエラー、条件分岐の漏れといったリスクは排除しきれません。そのため、処理失敗時の管理者へのアラート通知や、最終的な出力内容を人間がチェックする承認フローをあらかじめ組み込んでおくのが実務上の鉄則です。
大量のドキュメントを瞬時に要約する分析ツール
日々のニュースリリースや市場調査レポート、長時間の会議の議事録から要点を抽出する作業は、手作業で行うと多くの時間を費やします。Difyを活用すれば、あらかじめ指定したフォーマットに沿って、アップロードされた文書を自動で要約・整理する専用ツールを容易に用意できます。
対象のファイルをアップロードし、要約結果や決定事項、次のアクションプランといった出力項目をプロンプトやワークフローで定義します。複数の文書を比較して共通の傾向を抽出する高度な設計も行えますが、一度に処理できるファイル数やデータ容量は、契約しているLLMのトークン上限やDifyのシステム構成に依存する点に留意してください。
情報整理にかかる時間を短縮できれば、担当者は内容の検証や意思決定に時間を使いやすくなります。重要な分析では、原文との照合や数値の確認を省略しないようにしましょう。
利用規模に合わせた料金プランとそれぞれの特徴

Difyには、無料のSandbox、クラウド版の有料プラン、セルフホストできるCommunity版などがあります。料金や上限は変更される可能性があるため、導入時にはDify公式料金ページで最新情報を確認してください。以下は2026年8月2日に公式料金ページで確認した主な上限です。
| プラン名 | 主な対象 | 主な上限 | 確認ポイント |
|---|---|---|---|
| Sandbox(無料) | 個人、プロトタイプ作成 | 200メッセージクレジット、1メンバー、5アプリ、50ナレッジ文書、50MB | クレジット消費後は自己所有のLLM APIキーへ切り替え可能 |
| Professional | 個人開発者、小規模チーム | 月5,000メッセージクレジット、3メンバー、50アプリ、500ナレッジ文書、5GB | 料金、支払い周期、必要な容量を公式ページで確認 |
| Team | 中規模チーム、複数担当者での運用 | 月10,000メッセージクレジット、50メンバー、200アプリ、1,000ナレッジ文書、20GB | アプリ数は無制限ではないため、運用予定数を確認 |
| セルフホスト(Community版など) | 自社でインフラや運用を管理したい組織 | Dify Cloudのプラン上限とは異なり、利用環境のリソースや構成に依存 | インフラ、外部LLM、保守、ライセンス、通信経路を含めて確認 |
無料で基本機能を試せるSandboxプラン
Difyを初めて触る方や、アイデアを試作したい方には、無料で利用できるSandboxプランが適しています。アカウントを登録すると、クラウド上でDifyの基本機能を試せます。
無料のSandboxプランでは、Dify側から200メッセージクレジットが付与されます。これは単純な呼び出し回数ではなく、選択するAIモデルの負荷に応じて1回の応答で消費されるクレジット量が変動する仕組みです。付与されたクレジットを使い切った場合でも、自社で取得したLLMのAPIキーを設定画面に入力することで、引き続き検証作業を継続できます。
一方、アプリ数、ナレッジ文書数、ストレージなどにはプラン上限があります。まずはSandboxで操作感や業務への適用可能性を検証し、本番運用に必要な人数、アプリ数、データ量を見積もりましょう。
チーム開発や商用利用に適した有料プラン
複数人でAIアプリを開発・運用する場合は、ProfessionalやTeamなどの有料プランが選択肢になります。プランによって、メンバー数、アプリ数、ナレッジ文書数、ストレージ、処理上限などが異なります。
有料プランには毎月一定のメッセージクレジットがパッケージされていますが、上限に達した後も自前のLLM APIキーを登録して稼働を続けられます。予算を策定する際は、Dify自体の月額利用料だけでなく、接続するLLMプロバイダー側で発生する従量課金のAPI利用料も合算してシミュレーションしておく必要があります。
WebアプリやAPIとして業務に組み込む際は、利用者数だけでなく、認証、権限、ログ、障害対応、データ容量、外部APIの料金も確認してください。料金や上限は変更される可能性があるため、契約直前に公式ページを再確認しましょう。
セキュリティを重視する企業向けのセルフホスト(ローカル)版
自社のインフラや運用方針に合わせたい組織では、Difyを自社環境に構築するセルフホストが選択肢になります。Dockerなどを利用し、クラウド環境やオンプレミス環境でDify本体、ナレッジ、ログなどを管理できます。
ただし、セルフホスト化しただけでデータの外部送信がなくなるわけではありません。OpenAIやAnthropicなどの外部LLM、外部ツール、プラグイン、監視サービス、外部ストレージを利用する場合、処理に必要なデータが各サービスへ送信される可能性があります。
閉域環境での運用が必要な場合は、ローカルモデルの利用、外部通信の制御、認証と権限管理、保存先、ログ、バックアップ、プラグインの通信先まで含めた設計が必要です。セルフホストの採用だけで安全性を判断せず、実際のデータフローを確認しましょう。
アカウント登録からアプリ構築までの基本的な手順

Difyでは、アカウントを作成した後、テンプレートや新規アプリから構築を始められます。ここでは、クラウド版を基に、AIアプリを立ち上げるまでの3つのステップを解説します。
クラウド版のアカウント登録と初期設定の手順
まずはDifyの公式サイトにアクセスし、利用可能な方法でアカウントを作成します。登録方法や画面表示は変更される場合があるため、実際の案内に従ってください。
ログイン後は、ワークスペース名などの初期設定を行います。チームで利用する場合は、会社名やプロジェクト名など、利用目的が分かる名称にすると管理しやすくなります。
ダッシュボードから、新しいアプリの作成、ナレッジの登録、モデルプロバイダーや外部ツールの設定を行えます。本番利用前には、管理者、利用者、権限の範囲も決めておきましょう。
テンプレートを活用した初めてのアプリ作成方法
ゼロからアプリを構築するのが難しい場合は、Difyに用意されているテンプレートを利用できます。ダッシュボードからテンプレートの一覧を開き、目的に近いものを選択します。
カスタマーサポート、翻訳、文章生成などの用途に対応するテンプレートを基に、プロンプトやモデル、入力項目を調整できます。利用できるテンプレートは時期や環境によって異なる場合があります。
テンプレートをそのまま本番利用するのではなく、自社のデータを使って回答品質、禁止事項、エラー時の挙動を確認してください。少数の利用者で試してから改善する方法が適しています。
外部のLLMモデルとAPIを連携させる手順
外部のLLMを利用する場合は、対象プロバイダーのAPIキーなどをDifyに設定します。設定画面からモデルプロバイダーを選び、必要な認証情報を登録します。
APIキーには料金の発生やデータ送信が伴うため、個人のキーを共有せず、組織として発行・保管・更新する方法を決めましょう。送信するデータ、利用地域、保存期間、各プロバイダーの規約も確認が必要です。
設定後はアプリの編集画面でモデルを選び、想定する入力データを使ってテストします。公開前には、出力品質、料金、権限、ログ、エラー処理を確認してください。
業務効率化を実現した企業や自治体の導入事例

Difyは、企業の情報収集や自治体業務の検証などに活用されています。ここでは、実施主体が公開している一次情報で内容を確認できる2つの事例を紹介します。
リコーにおける経営情報共有の効率化
リコーデジタルサービスビジネスユニットでは、Difyを使い、Web検索結果から部門別の観点で情報を抽出し、毎日配信するアプリケーションを開発しています。
リコーの公式ページでは、この仕組みによって情報提供を効率化し、社員が戦略や施策の議論などに取り組みやすくなったことが紹介されています。また、全員がDifyを活用できる環境を展開していると説明されています。
事例の具体的な用途と成果は、リコー公式のSCM構造改革・ITシステムの紹介ページで確認できます。導入を検討する際は、ツールの配布だけでなく、対象業務、情報源、配信方法、回答や出力の確認体制まで設計することが重要です。
豊島区におけるアナログ規制の点検・見直しへの活用
東京都内の自治体事例として、豊島区はアナログ規制の点検・見直しにDifyを活用しています。公開資料では、関連する上位法令の有無、見直しの方向性、代替技術、懸念点などを生成AIで事前に整理する取り組みが紹介されています。
この事例は、住民向けチャットボットや窓口業務の自動化ではなく、職員による規制点検を支援する用途です。本文の確認や最終判断をAIだけに任せず、職員や関係機関との協議を含めて精度を高めています。
詳細は東京都デジタルサービス局が公開するTokyo区市町村DXawardのプレゼンテーション資料で確認できます。自治体や企業で応用する際も、対象データ、外部送信先、確認者、誤出力時の対応を明確にする必要があります。
導入・運用時に気をつけるべき注意点と対策

Difyを企業で安全かつ効果的に運用するには、プラン上限とデータの流れを把握する必要があります。ここでは、導入前に確認したい2つの重要なポイントを解説します。
無料プランにおける利用回数や機能の制限
無料のSandboxプランには、200メッセージクレジットが付与されます。これは一律200回のLLM呼び出しを意味するものではなく、利用するモデルによって1回の応答で消費するクレジット数が異なります。
付与されたクレジットを使い切った後も、自己所有のLLM APIキーへ切り替えて利用できます。一方、アプリ数、メンバー数、ナレッジ文書数、ストレージ、各種リクエストなどには別の上限があります。
実務での運用を始める前に、想定する利用者数、アプリ数、データ量、LLMの利用量を測定しましょう。Difyのプラン料金と外部LLMのAPI料金を分けて見積もり、最新の上限を公式料金ページで確認することが大切です。
企業で導入する際に考慮すべきセキュリティ対策
企業でDifyを利用する際は、Dify本体だけでなく、接続するLLM、外部ツール、プラグイン、ストレージ、監視サービスを含めてデータフローを確認する必要があります。Dify公式のプライバシーポリシーでは、Dify CloudなどのSaaS利用時に、AIへ入力したプロンプトや質問、アップロードした文書・ファイル・ナレッジベースの内容、AIの出力、アプリ設定、ワークフローが収集・保存の対象として説明されています。
外部LLMを利用する場合は、AI機能を提供するため、入力内容などがモデル事業者に共有される場合があります。保存期間、処理地域、削除方法、モデル学習への利用条件は、利用するサービス、契約、設定によって異なります。プライバシーポリシーに加え、企業顧客のデータ処理にはDifyのデータ処理契約(DPA)が適用される場合があるため、最新版を確認し、送信してよい情報の基準を社内で定めてください。
セルフホストを選択する場合も、外部LLMや外部ツールを利用すればデータがネットワーク外へ送信される可能性があります。厳格なデータ保護が必要な場合は、ローカルモデル、外部通信制御、アクセス権限、暗号化、ログ、バックアップ、脆弱性対応まで含めて構成を設計しましょう。
Difyと併せて使いたい業務効率化を加速させるツール4選

Difyは、データ分析、ナレッジ共有、タスク管理、業務設計のツールと組み合わせて利用できます。ここでは、目的に応じて連携や併用を検討しやすい4つのツールを紹介します。
| サービス | 主な対象 | 特徴 | 確認ポイント |
|---|---|---|---|
| Tableau | 営業・マーケティング担当者、データアナリスト | データを分析し、ダッシュボードとして可視化する | データの整形、連携方法、更新頻度 |
| Confluence | プロジェクトチーム、グループ会社 | 社内のナレッジやドキュメントを管理・共有する | アクセス権限、更新ルール、Difyへの取り込み方法 |
| Trello | 個人、小規模プロジェクトのタスク管理者 | カンバン方式でタスクの進捗を可視化する | APIの認証、重複登録、エラー時の処理 |
| Miro | 企画担当者、リモートワークチーム | オンラインホワイトボードで業務フローを可視化する | 情報の機密性、編集権限、運用ルール |
1. 営業・マーケ担当者向けのデータ分析ツール「Tableau」
Tableauは、複数のデータをグラフやダッシュボードにまとめるデータ分析ツールです。データの傾向を視覚的に確認し、担当者間で共有できます。
例えば、Difyで顧客の問い合わせ内容を分類し、確認済みの結果をTableauで集計・可視化する運用が考えられます。連携時には、個人情報の除外、分類精度、データ形式、更新方法を確認してください。
AIによる分類結果には誤りが含まれる可能性があります。元データを追跡できる状態を保ち、重要な判断では担当者が内容を確認しましょう。
2. グループ会社間の情報共有を円滑にするナレッジ共有ツール「Confluence」
Confluenceは、チームのノウハウ、議事録、仕様書などのドキュメントを管理し、共同で編集・共有できるナレッジ管理ツールです。情報の保管場所や更新担当者を整理する用途に適しています。
Confluenceに蓄積した文書をDifyのRAGで利用する場合は、対応する連携方法、エクスポート、API、プラグインなどを確認します。アクセス権限を無視して機密文書が検索対象にならないよう、取り込み範囲を設計する必要があります。
文書の更新日、責任者、有効期限を管理することで、古い情報に基づく回答を減らしやすくなります。Dify側のナレッジをどの頻度で更新するかも決めておきましょう。
3. 個人向けタスク管理サービス「Trello」
Trelloは、タスクを「未着手」「進行中」「完了」などのカードとして整理できる、カンバン方式のタスク管理ツールです。個人のタスクからチームのプロジェクトまで利用できます。
DifyのワークフローからTrelloのAPIなどを呼び出し、AIが作成したタスク案をカードとして登録する設計が考えられます。実装時には、利用できるAPI、認証方式、料金、各サービスの利用条件を確認してください。
自動登録では、同じカードの重複作成や誤った期限設定が起こる可能性があります。登録前の確認、重複判定、失敗時の通知を組み込みましょう。
4. 法人向けの業務プロセス可視化サービス「Miro」
Miroは、キャンバス上に付箋、図形、矢印などを配置し、複数人でアイデアや業務フローを整理できるオンラインホワイトボードツールです。
Difyでワークフローを構築する前に、Miroを使って現在の業務プロセス、AIに任せる処理、人が確認する処理、エラー時の対応を可視化できます。
業務フローを関係者で確認してからDifyに実装することで、要件の認識違いを減らしやすくなります。機密情報を扱う場合は、Miro側の共有範囲やアクセス権限も確認してください。
導入前によくある疑問と回答

Difyの導入を検討する際によくある疑問について回答します。実際の利用条件はプラン、接続先、構成によって異なるため、本番導入前に公式情報と自社の要件を確認してください。
Difyを利用するのに専門的なプログラミング知識は必要ですか?
基本的なチャットボットやワークフローであれば、プログラミングの専門知識がなくても作成を始められます。画面上でノードを配置し、プロンプトやモデルを設定して動作を確認できます。
ただし、外部の社内システムとのAPI連携、認証、JSON形式の厳密な処理、例外対応、セキュリティ設計などでは、ITやプログラミングの知識が必要になる場合があります。
まずはテンプレートや小規模な業務を使って検証し、複雑な連携や本番運用ではIT部門や専門担当者と協力する方法が適しています。
自社の機密データをアップロードしてもセキュリティは安全ですか?
安全性は、Difyの利用形態だけでは判断できません。Dify公式のプライバシーポリシーでは、Dify CloudなどのSaaS利用時に、AIへの入力、アップロードした文書・ファイル・ナレッジベースの内容、AIの出力、アプリ設定、ワークフローが収集・保存の対象として説明されています。また、AI機能の提供に必要な情報がモデル事業者に共有される場合があります。
セルフホスト版では、Dify本体やナレッジの保存先を自社で管理できます。ただし、外部LLM、プラグイン、監視、ストレージなどを利用すれば、データが外部サービスへ送信される場合があります。
閉域化が必要な場合は、ローカルモデルの利用、外部通信の制御、プラグインの制限、権限管理、ログ、バックアップなどを含めて個別に設計してください。機密データを扱う前に、実際のデータフローと各サービスの契約条件を確認し、企業顧客のデータ処理についてはDifyのデータ処理契約(DPA)も確認する必要があります。
作成したAIアプリは商用利用することができますか?
Difyのソースコードには、Apache License 2.0を基礎として追加条件を定めたDify Open Source Licenseが適用されています。公式ライセンスでは商用利用が認められていますが、マルチテナントサービスとしての提供や、フロントエンドのロゴ・著作権表示などについて追加条件があります。
利用形態によっては商用ライセンスが必要になるため、一律に商用利用可能と判断せず、公開されているDifyの公式ライセンスを確認してください。判断が難しい場合は、Difyの提供元や法務担当者に確認しましょう。
また、接続するLLM、プラグイン、外部データ、生成物には、それぞれ別の利用規約や権利条件が適用されます。顧客向けに提供する場合は、API料金、データ処理、著作権、免責、回答の確認体制も整理する必要があります。

AX CAMPなら現場成果から逆算したDify導入を設計できます

Difyを導入して業務効率化を進めたいものの、「自社に合わせた具体的なワークフローの設計ができない」「導入しても現場に定着するか不安」という課題を抱えていませんか?株式会社AXが提供する法人向けAI研修サービス「AX CAMP」は、単にツールの使い方を学ぶだけでなく、現場で実際に成果を出すことをゴールにした伴走型の研修プログラムです。完全オンラインで受講でき、14時間のeラーニングカリキュラムと、実際の業務課題を扱うAI化計画のプランニング、半年から1年間にわたる伴走支援を組み合わせて提供します。
プログラミング不要でPCの基本操作ができれば受講でき、受講中に作成したAIツールを実務で活用することを目指します。例えば、受講企業である株式会社グラシズ様では、LPライティングの外注費を10万円から0円に削減した事例があります(出典:株式会社グラシズ導入事例)。自社向けのAIアプリ開発や、現場主導のDX推進に取り組みたい企業様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

まとめ:Difyとは何かを理解して業務のAI化を進めよう
Difyとは、プログラミングの専門知識を抑えながら、生成AIアプリケーションやワークフローを構築・運用できるプラットフォームです。複数のAIモデルとの連携や、社内データを検索して回答に利用するRAGなどの機能を備えています。
まずはSandboxプランで基本的なアプリを試し、回答品質、料金、データの送信先、運用体制を確認しましょう。付与されたメッセージクレジットを使い切った後は、自己所有のLLM APIキーへ切り替えられます。
自社の業務課題に合わせたAI活用を進めたい場合は、伴走型支援を提供するAX CAMPの活用も検討してください。

