2026年度の組織づくりは、余白の設計で差がつく

こんにちは、株式会社AX(エーエックス)代表のぶんたです。

約半年前、僕はこのマガジンで「AIは人・モノ・カネ・情報に次ぐ第五の経営資源だ」という記事を書きました。AIをただの便利ツールではなく、人材と同じテーブルに載せて資源配分を考えるべきだ、と。

あの記事から約8ヶ月。AIを取り巻く状況はさらに変わり、僕の考えも一段階アップデートされました。

今回は、「AIで効率化できた、その先」の話をします。

あなたの会社では、AIが生んだ「空いた時間」を、何に使っていますか?

2026年度の組織づくりで最も重要なのは、AIがいることを前提に、余白を設計すること。効率化のその先をどうデザインするかで、組織の伸びしろが大きく変わります。

“第五の経営資源”が、当たり前になった

半年前、僕が「AIは第五の経営資源である」と書いたとき、多くの経営者にとってAIはまだ導入するかどうかを検討する段階でした。

「うちの業界にはまだ早い」「セキュリティが心配」「何から始めればいいかわからない」そんな声が、あちこちから聞こえていた時代です。

でも2026年の今、**AIを使っていない会社を探す方が難しくなりました。**議事録の文字起こし、メールの下書き、データの整理……どんな会社でも、何かしらAIを使っている。もはやAIは特別なものではなく、Wi-Fiや会計ソフトと同じ、当たり前のインフラになりつつあります。

つまり、AIを導入するかどうかという議論はもう終わった。次のフェーズに入ったんです。

じゃあ、次のフェーズって何なのか?

それが、AIが当たり前にある前提で、組織をどう設計するかという問いです。

効率化の先にある落とし穴

AI導入で業務効率化に成功した会社が、次に直面しがちな罠があります。

「作業時間が減ったのに、なぜかメンバーの余裕が増えていない」これ、思い当たる経営者の方、かなり多いんじゃないでしょうか。

原因はシンプルです。AIで作業が速くなった分、新しいタスクを詰め込んでしまう。「時間が空いたなら、こっちもやろう」「AIがあるなら、もっと案件を回せるはずだ」と。効率化で得たはずの時間が、新たな作業で即座に埋まっていく。

AXでも、AIの導入で月160時間の作業を83%削減しました。大きな成果です。でも僕自身、気を抜くと「空いた時間にもう1つタスクを入れたくなる」誘惑と常に戦っています。

この誘惑に無自覚でいると、どうなるか。AIによる効率化は、ただの高速化で終わります。高速で走り続けるだけの組織は、いつか息切れする。

余白とは何か?

ここで言う「余白」とは、サボりの時間でも、ぼんやりする時間でもありません。「すぐに成果が見えない、でも未来の成果を生むために必要な時間」のことです。

具体的にはこういうものです。

  • 「この業務、そもそもやる必要あるんだっけ?」と立ち止まって考える時間

  • 「こういうの、AIで自動化できないかな?」と新しい仕組みを構想する時間

  • 先輩のやり方を観察して自分なりに吸収する時間

  • 部署を超えて雑談から新しいアイデアが生まれる時間

つまり、“考える”と”つながる”のための時間です。

これまでの経営では、こうした時間は非効率として削られがちでした。でも、AIがいる組織では、むしろこの余白こそが競争力の源泉になる。

なぜなら、AIに何をさせるかを考えるのは、余白の中からしか生まれないからです。

AIが手なら、余白は脳の時間

たとえ話をさせてください。

AIは超優秀な「手」です。指示を出せば、人間の何十倍もの速さで情報を整理し、資料を作り、文章を書いてくれる。

でも、何を作るべきか。誰のために。なぜ今なのか。

これを決めるのは「脳」、つまり人間の仕事です。そして、脳がちゃんと機能するためには、考えるための余白が不可欠なんです。

僕自身、この余白の大切さを身をもって感じた経験があります。

AIって、ずっと触っていられるんですよ。新しいプロンプトを試したり、業務フローを組み替えたり、次から次へとやりたいことが出てくる。気づけば朝から晩までAIと向き合っていて、普通に生活スタイルがバグってくる

そこで僕がやったのが、**「あえてAIを触らない日を設ける」**ということでした。具体的には、商談とMTGだけの曜日を作る。曜日単位でやる仕事を変えるようにしたんです。

これは一見、非効率に見えるかもしれません。でも実際にやってみると、AIに触れない時間があることで、「次にAIで何をやるか」を考える余裕が生まれた。目の前の作業に没頭するのではなく、一歩引いて全体を見渡す時間ができたんです。

結果、メンバーたちにも「ずっとAIを回し続けるだけが正解じゃない」という空気が生まれました。余白があることで自発的に「この作業、もっと上手くAIに任せられるんじゃないか」と考え始める。余白の時間から新しい自動化の仕組みが生まれ、さらに余白が増えるという好循環が回り始めたんです。

高校生のインターンが営業の準備を自動化してくれた話も以前書きましたが、ああいう革命は、カレンダーがギチギチの状態では絶対に起きません。

第五の資源から、AI前提の組織設計へ

半年前、僕は「AIを5つ目の経営資源として同じテーブルに載せよう」と書きました。

今、さらに踏み込んで言いたいのは、AIがいることを前提に、人の時間の使い方を再設計しようということです。

具体的に、僕が意識しているのは3つのシフトです。

① 全部やるより、選んでやる

AIがいる以前は、たくさんの仕事を速くこなすことが価値でした。でも今は、何をやり、何をやらないかを選ぶ力の方がはるかに重要です。

AIは与えられたタスクをこなすのは得意ですが、「これはやる価値がない」と判断することはできません。それは人間がやるべき仕事であり、そのためには余白が必要です。

② 人を増やすより、余白を増やす

業務量が増えたとき、従来の答えは人を採用することでした。今の僕の答えは、「まず余白を確保して、その余白で仕組みを作る」です。

仕組みが一度できれば、10人分の作業を1人のAIが代行してくれることもある。慌てて人を増やす前に、「この仕事、仕組み化できないか?」と問う余白を持つこと。それだけで、組織の成長のカーブが変わります。

③ 効率化から余白化へ

効率化は「同じことを速くやる」こと。余白化は「速くなった分の時間を、未来のために空けておく」こと。

この違いは、経営者が意図しなければ実現しません。放っておくと、組織は必ず余白を作業で埋めようとします。余白を守るのは、経営者の仕事です。

なぜ2026年度が分かれ道なのか

「AIが当たり前になった時代」に組織をどう設計するか。この問いが本格的に問われるのが、まさに2026年度だと僕は思っています。

なぜなら、2025年は「AIを入れる年」でした。多くの会社がAIを導入し、何かしらの効率化を体験した。でも、その効率化を一時的なブームで終わらせるのか、組織の根本設計に組み込むのか。その分岐点が、今なんです。

僕がこれまで650名以上のAI研修で見てきた中で、AI導入が「定着」する会社と「停滞」する会社の違いは、たった一つでした。

余白を設計に組み込んでいるかどうか。

停滞する会社は、AIで効率化した時間を「もっと仕事を詰め込む」ために使う。定着する会社は、AIで効率化した時間を「新しい仕組みを考える」ために使う。

半年後、1年後の組織の姿は、今この瞬間の設計で決まります。

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経営者が今日からできること

最後に、明日から実践できる3つのことをお伝えして終わります。

1. 「AIに触らない時間」を意図的につくる

僕がやったように、曜日単位でやることを分けるのも一つの手です。大事なのは、AIを回す時間と、立ち止まって考える時間を明確に分けること。最初は不安でも、1ヶ月後にはその「空白」が最も生産的だったと気づくはずです。

2. 「AIに何をさせるか」を考える会議を月1回持つ

現場の声を聞くだけで、驚くほどの自動化アイデアが出てきます。大事なのは、この会議自体が「余白」の活用であると、チーム全体で共有すること。

3. 「余白から生まれた仕組み」を評価する

目の前のタスクを速くこなすことだけでなく、「新しい仕組みを作って、チーム全体の余白を増やした」人を正当に評価する。これだけで、組織の文化が変わります。

半年前、僕は「AIを第五の経営資源として扱え」と書きました。今、その続きとして伝えたいのは、AIが当たり前にいる前提で、人間の時間の使い方をデザインし直せということ。

2026年度の組織づくりの鍵は、「いかに速くするか」ではなく、「いかに余白を守るか」。この実験記録が、あなたの会社の新年度の組織設計に、何かのヒントになれば嬉しいです。

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AX実績インタビュー|ぶんた@株式会社AX CEO|note


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